漆喰壁の採用メリット

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我が家では2階の個室以外は壁と天井に漆喰を使っています。使っていて感じる点や感じない点も含めてメリットデメリットを紹介いたします。

漆喰のメリット①抗菌、防カビ
•漆喰壁は強アルカリ性なので、抗菌、防カビ作用があります。防カビについては、断熱、気密性能が高ければ、夏場もエアコン1台でほぼ全館除湿してくれるのでそもそもあまり気にならないですが、抗菌は嬉しいですよね。
•インフルエンザやコロナウイルスの不活性化にも寄与する研究報告もあるので、子供が小さいと安心感があります。
•ただ、このメリットは「漆喰を使っている」満足感から得られる部分もあるので、実感はあまりないかもです。

漆喰のメリット②ホルムアルデヒドを無害化
•ホルムアルデヒドは、様々な家具や建材に微量ながら含まれております。現代の住宅では、24時間換気が定められておりますので、基準値を上回るホルムアルデヒド量が住宅内部に含まれないようになってはいます。
•そのため、過度に心配する必要は基本的には無いのですが、漆喰にはホルムアルデヒドを無害化する性質があるので、より安心感があります。
•ホルムアルデヒドを漆喰が無害化するメカニズムとしては、ホルムアルデヒドに漆喰に含まれるカルシウムが作用した結果、微量の酸性を帯び、漆喰のもつアルカリ性と反応して無害化すると言うものです。
•ただ、このメリットも、①と同じく「漆喰を使っている」満足感から得られるもので、実感はよくわかりません。

漆喰のメリット③消臭効果
•漆喰の多孔質な性質と、アルカリ性の作用により、消臭効果が期待できます。卵の腐った匂いのある硫化水素は酸性の性質をもつので、漆喰のアルカリ性によって中和されます。
•このメリットは、焼肉とかしても体感的に臭いが室内にこもった経験はないので、実感はあります。

漆喰のメリット④見た目の質感が良い
•素材としての質感は非常に良いです。経年劣化による黄ばみの心配もなく、ずっと白さが継続するところも漆喰の良いところです。
•仕上げの方法により、表面に表情を出す事もできます。
•また、何かの拍子に汚してしまっても、汚した部分に漆喰を塗り直すことで簡単に補修できる点も良いですよね。メンテナンス性も高く、この点は強く実感できるメリットとなります。

漆喰のメリット⑤対火性能、避難安全性
漆喰は不燃材料であり、耐火性能を有しています。そのため、火災時の燃え広がりを抑制し、かつ火災時に有毒物質も出ないため、耐火性能があり、火災時の避難安全性も確保されているため、安心できる材料です。
 
なお、良くある勘違いとして、漆喰に調湿作用があるように思われる事があります。
確かに調湿性能はありますが、JIS規格に定める基準値よりは低い値であるので、調湿材料とは呼べません。特に現代の住宅では、石膏ボードの上に漆喰を塗る場合がほとんどでありますので、調湿している事を実感できるほどの効果はありません。
ただこの点は、高気密高断熱の家であればエアコンだけで除湿出来るので、調湿材で無くても室内の湿度管理はさほど難しく無く出来ますのでご安心ください。

漆喰のデメリットとしては、コストが高い事と、漆喰特有の白華効果から、色のバリエーションがほとんどないことくらいでしょうか。
DIYで楽しめるのも良いですよね。デザインとしてポイントで一面だけ漆喰にするとかでも良いかと思いますので、ぜひお試しください。

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