マイホームの購入に当たっては、やるべき事が多岐にわたるため、何から始めて良いのか悩まれる方も多いと思います。この投稿では、住まい探しを始めるに当たってのステップについて、網羅的に紹介させて頂きます。
■家づくり全体の流れ
家づくりは、最短でも2年くらいの月日を費やします。初期検討までは人によって検討期間にばらつきがありますが、土地や業者が決定した後は、比較的間延びせずに進捗していきます。それぞれの工程ごとに、注意すべき点がありまして、どの工程も非常に重要ですので、是非ないようご確認ください。以下に全体の流れをまとめていますので、ご確認ください。

■目次
1将来の暮らしを考える
①将来の暮らしのイメージの話し合い
家探しは、人によっては生涯の生活基盤を定める重要なイベントでありますので、最初に長期的な暮らしのイメージについて、ご家族で話し合う必要があります。
子供の幼児期や教育期、子供が巣立った後の老後の暮らし方はもちろんのこと、ご両親の介護や転勤の可能性も含めて将来の暮らしを想像して話し合いましょう。


②ライフプランシミュレーションを行う
①の話し合いをもとに、ライフプランシミュレーションを行います。世帯の収入見通しと、教育資金や子供の結婚資金、老後資金を考慮しながら、どの時期にどの程度のお金が必要なのか、出来る限り具体的な検討を行なって、住宅資金としてどの程度使うべきなのかを検討します。
ここまでの見通しを立てた上で、分譲住宅の購入が良いとなれば、次の検討に移ります。
③大事にしたいポイントの話し合い
分譲住宅が良いとなったら、ご夫婦間で、大事にしたいポイントを話し合いましょう。それぞれ大事にしたい事をリストアップして、その中から、マンション、建売住宅、注文住宅のうち、どれが自分たちに適しているのかを検討します。
◯マンションのメリット
- 戸建て住宅と同じコストで通勤時間を短縮出来る。
- 災害対応力が高いケースが多い。
- 共用スペースが充実している物件もある。
◯建売住宅のメリット
- 注文住宅よりは手軽に庭付き一戸建てが手に入る。
- まとまった分譲地の場合は近い世代が一斉に入居するため、ご近所同士の交流が自然と起こりやすい。
- 管理費は発生しない
◯注文住宅のメリット
- 理想の住まいを追求出来る。
- 断熱、気密性能は最も高めやすい。
- 日射の取り込み等、自然光を最大限活かす間取りも可能。
- 自分たちで検討した物件なので、家への愛着が沸きやすい。
- 管理費は発生しない
マンション、建売住宅、注文住宅、それぞれ良い点があります。また検討の解像度を高めていけば、より良い住まい探しに繋がりますのでこの期間の検討を大事にされることをオススメいたします。
2住宅ローンの事前審査、間取りの検討と目標とする住宅性能、土地の条件設定と土地探し、お願いする工務店•HMの目星をつける
①住宅ローンの事前審査
このタイミングで、住宅ローンの事前審査を行います。
なお、住宅ローンの事前審査は、出来る限り借りられる額で行いましょう。借りられる額は後で変更できますが、減らすことに比べて増やすことは難しいので、余裕を持って予算取りを行いましょう。
②間取りの検討
ご家族の状況ごとに、どの程度の床面積が必要か見通しをつけます。大体3LDKであれば100㎡程度を基準として、ランドリールームや回遊動線等の有無によって大きさが変わって来ます。
間取りの検討に当たっては、日射取得や日射遮蔽についても意識しながら計画しましょう。また、外構計画もセットで検討しましょう。
③目標住宅性能
断熱性能、気密性能、換気システム、耐震性能について、どの程度のラインを目標とするのか定めます。
なお、目標とする住宅性能によってどの程度消費電力が変わるのかについては、住まいのエコチェックをご活用ください。
④土地の条件設定•土地探し
間取りの検討を考慮しながら、土地に求める条件設定(通勤•通学距離、治安、周辺環境、ハザードマップ等)を行います。
平行して、条件に合致する土地を探します。
⑤工務店•HMの目星
上記の検討とセットで行います。ご自身の理想に合致する家づくりを行なっている工務店•HMのところに実際に相談に行き、その中から提案内容や担当者との相性から目星をつけます。
なお、工務店やHMにご提案内容をいただく際、一緒に見積もりもいただくと思いますが、見積もりの前提となる標準仕様については、必ず確認するようにしましょう。
キッチンやカップボード、床壁天井材、外壁材、断熱材、窓、換気システム、洗面化粧台、太陽光システム、外構、構造計算あたりは、仕様変更によって簡単に百万円単位で金額が上昇するものなので、標準仕様を確認しつつ、標準仕様で満足できなさそうであれば、予め条件として伝えておくようにしましょう。
3土地の決定•工務店•HMの決定
徐々に条件が固まってきたら、後はひたすら土地探しです。毎日土地の新着状況を確認して、条件に合致する土地が出てくるまで待ちましょう。
条件に合致する土地が見つかったら、買付申込を行い、目星をつけていた工務店•HMの中から一番良いと思った会社に連絡して土地の確認をしてもらい、問題なさそうであれば土地の契約、工事の請負契約を行います。
土地契約、工事の請負契約と平行して住宅ローンの本審査を行いますが、ここで注意点が一つあります。土地契約に当たって、希望の金額の住宅ローンが通らなかった場合は土地の解約が出来る条項を入れ込めるのですが、この金額は出来る限りアッパーに近い金額としてください(特に今より収入の増加がほぼ確実に見込める人)。
ここで低い金額を設定すると、中途半端に低い金額の住宅ローンしか通らなかった場合に、土地の解約が出来なくなるので、せっかく土地を見つけても、コストがかけられずに中途半端な家づくりになることになりかねません。
問題なく契約が行えて住宅ローンが通れば、いよいよ本格的な家づくりの始まりです。
4詳細検討
土地とお願いする工務店•HMが決まりましたら、いよいよ詳細検討の始まりです。
①検討内容
大まかなプランニングは契約前に確認していると思いますが、間取りについて改めて確認した上で、外観デザイン、インテリアデザイン、照明計画、採用する設備の選定を行なっていきます。
ここが注文住宅の一番の醍醐味で楽しい部分なので、色んな事例を参考にしながら楽しんで検討を進めてください。
②詳細検討の進め方
ここで注意点が一つ。楽しんで検討を進めるのは大事ですが、業者側にとっては最も労力がかかる部分になります。色んな事例を調べる内に、前に決めたものを後で変更したくなったりする事もあるかと思います。ここで施主側がコロコロ心変わりしてしまうと、業者側にかける負担も増やしてしまいますので、もの決めは良くご家族や担当者の方と話し合って決めて行き、それでもどうしても変更したい内容があるのであれば、真摯にその気持ちを正確に担当者の方にお伝えして、一緒の方向を向いて一つ一つ丁寧に決めて行ってください。
ここで、軽く口頭や電話でやっぱりこっちに変えますとか、これにしますとか、言いっぱなしで相手が理解したかも確かめずに進めると、後で確実にトラブルになります。
前言った事が反映されているのか確認を求めたり、議事録を共有していただく事も重要ですが、本質的な部分は上記の通りでございまして、相手が自分が言った事を理解したか否かを都度その時の会話の感触から確かめれば、自然とケアレスミスは減り、最終的には施主側の負担も減る事に繋がりますので、あまりその場で舞い上がったり一方的に伝えるのではなく、丁寧に相手の理解を確かめながら進めるようにしていきましょう。
担当者も人ですので、お互いを尊重し合って対話を重ねて進めれば、確実にトラブルは減らせますので、施主側も丁寧に対応しましょう。
なお、この際に担当者のこだわりと出てくる部分もあるかと思いますが、その内容に納得出来ない場合は、その場でお伝えしても中々状況が好転しない場合が多いですので、その際は一度持ち帰ってじっくり考えた後、メールで理由とともに自分の案を採用したい旨をお伝えするようにしましょう。熟考の上の決断だと担当者も理解していただけます。
③工程の確認
詳細仕様が固まり始めて来たら、着工合意後の工程の確認もするようになります。ここで、あまり無理のありそうな工程は組まないようにした方が良いです。
例えば子供の入学に間に合わせたいだとか、年末年始やお盆は新居で迎えたいのでそれまでにだとか、住宅ローン等の関係で12月までの引き渡しとか、気持ちは分かりますが、工程を縮めると、施工不良のリスクが高まりますので、極力工程はいじめないようにする事をオススメします。
④金額の確認
仕様が固まって来たら、変更金額が見えて来ます。ここで、1~3までの検討の中で、ある程度検討の解像度を上げていれば、大きく金額がズレる事はないかと思いますが、金額感を確認しながら最終調整を行って仕様を確定していきます。
5仕様確定•着工合意•地鎮祭•着工
ついに仕様が固まったら、着工合意です。着工合意後は、図面の変更は不可です。着工後に図面の変更をすると、現場が混乱して収拾がつかなくなるので、必ず打ち合わせ通りの図面や仕様となっているのか、確認するようにしましょう。
ここで、担当者の方との信頼関係が築けていれば、あまり労力をかけずに内容を確認できると思います。
逆に、担当者の方との信頼関係が出来ていない場合は、隅々まで図面を確認していく必要が出てきますので、ご注意下さい。
この時に、図面は後で送付するから印鑑だけ先にと言われる事もあるように伺っていますが、印鑑を押した後に届いた図面が間違っていると、トラブルの元になりかねないので、そのような事態を防ぐために、あらかじめ着工合意時は、図面が確認できないと印鑑は押せない旨をお伝えしておきましょう。
着工合意が出来れば、いよいよ地鎮祭を行なって着工です。地鎮祭の時には、お世話になった担当者の方へのお礼をお渡しする事をオススメします。工事も重要なイベントですので、最後まで頑張っていただくためにも、しっかりと感謝を伝えてお礼をお渡ししましょう。
6工事中
工事中は、定期的に現場に足を運んで進捗を確認したくなると思います。
自分の家が出来ていく感覚はとても楽しいものですし、よく足を運びたくなる気持ちはわかりますが、足を運ぶに当たっては最低限気をつけておく必要がある項目がありますので、以下お伝えいたします。
①作業の邪魔にならないように配慮する
お施主さんが現場に入ると、現場にいる方々は気を使って手を止められたり、危なくないように現場を整頓したりする必要が生じます。
現場の方々の作業を止めると、思うように工事が進められず工事の遅延につながったり、本来確認しなければならないことに十分に時間を使えなくなってトラブルにつながりかねないので、出来る限り事前に現場にお伺いする事は事前に伝え、もし事前にお伝えできない場合は、一言お断りして状況を見ながら見学させていただくようにしましょう。
また工程通り進捗させるためには、業者の方々が手を止めないような配慮も必要になりますので、頻繁に現場に立ち寄られるようであれば、大工さんや現場監督さんに、手を止めることになってないかご確認頂きながら、邪魔にならない時間帯にお伺いするように切り替えるなど、調整しましょう。
②現場で違和感を持っても、その場で現場を止めない
現場で違和感を持った場合は、帰ってからメールで担当の設計士の方と現場監督の方にお伝えするようにしましょう。
現場では、日々作業が進捗していますので、その日のうちに確認しなければならない事があります。そこでお施主さんの対応に時間が割かれると、本来その日に確認する必要がある事が確認できなくなり、余計なトラブルを発生させる要因になりかねません。
現場でトラブルが起き始めると、トラブル対応に時間が割かれて他の部分の確認がおろそかなり、次から次へとトラブルが発生する可能性もありますので、極力現場の方々の作業や確認の時間を奪わないように心掛けてください。
逆に現場で気づいた違和感については、その時でないと間に合わないケースの方が少ないため、極力後でも確認できるメールを入れておき、事実関係の確認と、必要であれば対応していただけるようにお願いしましょう。
以上の点に気をつけて頂ければ、沢山現場を見て写真を撮っても大丈夫ですので、思い出に是非現場を確認して下さい。あと、現場へのお土産も大事ですね。日頃頑張っていただく感謝の気持ちをお伝えする意味でも、差し入れは積極的に行う事をオススメします。
7完成、引き渡し
現場が出来上がったら、いよいよ完成です。引き渡し前に施主検査を行います。
施主検査では、ドアや引き出しの動作確認、壁や床の削れ等の確認、点検口内の確認などを行います。
問題なければ、あとは別日に引き渡しとなります。
以上のように、家づくりは、上手く進捗しても2年程度の時間がかかります。その間には、家づくり以外にも様々なイベントがあり、家づくりの熱も上がったり下がったりするかと思います。
中々大変ではありますが、焦らずご自身のペースで進める事が一番重要でありますので、適度にリフレッシュをしながら家づくりを進めていって頂ければと思います。
皆さまの家づくりが成功する事、お祈りしています。

