収納力のある家づくり

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 家づくりでは、開放感のあるリビングや、おしゃれなキッチンダイニング、書斎や見栄えの良い玄関づくりなど、理想とする家づくりを検討していく上で、家づくり全体の方向性を定めるような検討を軸において検討を進めるかと思います。その中で、その理想とする家づくりを実現していく上で、家の収納力をどのように向上させていくのかが重要になってきます。せっかくの理想的な家づくりを計画しても、物が収まらずにあまりものを置きたくないところにやむを得ず物を置くことになることは避けたいところですよね。

 この投稿では、我が家でどのような収納計画を考えたのかご説明させていただいた上で、上手くいった点と、どうしても収納力が足りずに収まりきらなくなっている点をご紹介させていただきます。

 まず、収納には、大きく大別して、下駄箱、玄関収納、浴室収納、リビングダイニング収納、パントリー、在庫収納、掃除用具収納、クローゼット、イベント用品収納、レジャー用品収納、外構用品収納、だいたいこの程度の種類が存在します。この中で、下駄箱、クローゼット、浴室収納、掃除用具収納、パントリー、在庫収納あたりはそれなりに確保する必要があり、それ以外はオプションとして検討していくことで、収納を効果的に計画していくことができます。

 まず、それなりに確保する収納について紹介させていただきます

 下駄箱やクローゼットについては、家族それぞれの靴や衣服の数を把握すれば、大体どのような収納を作ればよいのかイメージがつくかと思います。また、浴室収納やパントリーも洗面所やキッチン横に設けるという意味では分かりやすいですよね。それぞれ在庫収納としても併用していくことで、予備のストックも含めて収納力が確保できるので、浴室収納とパントリーは在庫収納を兼ねることをお勧めです。

 そして、忘れてはいけないのは、掃除用具収納になりますね。キッチンのごみ置き場の位置、トイレ清掃用具の場所、掃除機の格納場所、ルンバを設置するのであれば、ルンバの場所、どれも理想的な家づくりをする上では、忘れてはいけないポイントになります。特に、掃除機とルンバの設置位置は、電源も含めて計画することで、より快適な家づくりが実現できます。

 そして次に、オプションとして計画していくものを紹介していきます。

オプションとして検討していく収納は、玄関収納、リビングダイニング収納、イベント用品収納、レジャー用品収納、外構用品収納になります。順番にご説明していきます。

 まず、玄関収納について検討するに当たっては、玄関にどの程度のスペースが確保できそうかと、どのような玄関にしたいかによって検討の方向性が変わってきます。例えば、少し前に流行った2WAY玄関のように、来客と家族用動線を分けて、家族用動線上に下駄箱やハンガーパイプを計画して、靴や衣服を収納できるようにしたり、他方でアウトドア用品やベビーカー置き場を想定して、土間スペースを拡張して収納力を確保したり、上足ゾーンに収納を設け、在庫収納として様々な在庫を収納できるようにしたり、その過程の暮らし方や趣味の内容によって、どのような収納をつくるかを検討していくと良いでしょう。

 ちなみに我が家では、最初はベビーカー置き場やハンガーパイプ等の設置を想定した玄関収納を想定しておりましたが、ベビーカーを使う期間も数年間であるのと、窓を設けて明るい玄関を作るのを優先したいと考えるようになり、玄関には、在庫収納を設けるのみといたしました。

 続きまして、リビングダイニング収納についてです。リビングやダイニングでは、様々な生活シーンが存在するので、その生活シーンごとに欲しい収納を想定して検討していく必要がございます。主に想定されるのは、ちょっとした本や雑誌、生活に関する様々な記録簿やファイルを保管しておく場所、医療品の保管場所、来客用の折りたたみ椅子等の保管場所、また自分もそうですが小さいお子さんがいる家庭では、子供のおもちゃの保管場所も必要になってきますよね。

 私の家でこだわったポイントは、本棚を造作で作った点です。特に、A4サイズのファイルや漫画本、B4サイズの本など、一重に本と言っても、高さがことなります。そこで、私たちは、以下のように納めたい本の種類によって内寸を分け、特に雑誌や生活に関する様々な記録簿やファイルを保管しておく場所を一番手元に近く取りやすい場所に設け、その上下に漫画を保管する場所、一番下は荷重のかかるB4サイズの本の保管やCDコンポが設置できるような寸法とする工夫をしました。

 また、掃除用具収納を兼ねて、折りたたみ椅子やちょっとした在庫をしまえる収納をリビング階段下に設けました。医療品は、リビングとダイニングの間に、両側から物が取れる、ちょっとした棚を設けるのも良いかなと思いまして、家具に頼った計画としています。

 妥協したのは、子供のおもちゃの保管場所ですね。我が家では、本棚の南側を収納として想定しておりましたが、西側に畑があるロケーションを生かして、借景として取り込めるように計画したかったので、あえて少し収納力を削ってその代わりに縦長の窓を設けました。そのため、現在絶賛子育て中の我が家では、リビングダイニングが子供のおもちゃで溢れかえっている状態です。この辺は、子供がある程度の年齢になれば大分スッキリしてくると思いますが、もし、子育て中もある程度リビングダイニングをスッキリさせたい方は、リビングダイニングの収納力を向上させていくことをお勧めします。

 次に、イベント用品収納やレジャー用品収納についてです。この2つは様々な収納を兼ねる方法と、屋根裏部屋のような空間を作ってそこに格納する方法、また、外部物置を外において収納する方法が考えられるかと思います。お金に余裕がある方は、屋根裏部屋を設けることも良いかと思いますし、敷地に余裕があれば、外部物置をおいてその中に収納する事も考えられます。また、レジャー用品収納であれば玄関収納やクローゼットを兼ねる方法、イベント用品収納であればクローゼットを兼ねる方法が考えられるかと思います。

 我が家では、残念ながらお金が足りなかったので、屋根裏部屋をつくることはできず、クローゼットと外部物置を活用してイベント用品とレジャー用品を格納することで対応しております。

 ただ、我が家では、イベント用品として、クリスマスツリーと5月人形、また4月に女の子が生まれる予定であり、ひな人形も必要になっており、現状、それらは収納に収まっていません。クリスマスツリーは180㎝の大型のものを所有しており、5月人形もひな人形もそれなりの大きさのため、2階のクローゼットに入りきらないのと、外部物置もそこまで大型のものを置いているわけではないので、いったん今は使っていない子供部屋に押し込んでいます。この辺は、子供が子供部屋を使用する年齢になる時には解決しないといけない問題でありますが、おそらく夫婦の寝室に押し込むことになるかなと考えています。

 続きまして、外構用品収納についてです。外構用品収納は、ちょっとした外構であれば玄関収納を兼ねるパターンと、外部物置を置いてその中にしまうパターンが存在します。

 我が家では、外構に植栽をそれなりに植えておりますので、植栽管理にそれなりの外構用品が必要であり、それらをしまうのに外部物置を使用しています。我が家の外部物置には、それ以外に、様々な用具や子供を乗せて運べるワゴンとタイヤを入れておりますので、大型の外部物置と、室外機上のスペースを活用した外部物置を設置しており、それなりの収納力を確保しています。

 収納には、どの家庭でも必要な収納と、家庭の状況に応じてオプションとして収納力を検討していくものと振り分けて考えると、効果的に収納力を向上させることができ、理想的な家づくりを目指していくことができますので、是非皆さんも家づくりを検討する際には意識するようにしていってください。

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